おサルに願いを⑤ヒンドゥー教の猿の神様ハヌマーンその2
こんにちは。二助企画です。
「おサルに願いを」シリーズ第5弾。前回に続いて、インドのハヌマーンやハヌマンラングールに関するお話です。
まずは、ハヌマンラングールの見た目について。
ハヌマンラングールは、全身は灰色っぽい色で、顔と手足が黒いのが特徴。
(画像提供:Canva Pro)
この配色は、勇敢な猿神ハヌマーンにまつわる伝説が、その所以であるとされています。
ハヌマーンは、非常に強固な精神を持ち、身体的な強さの象徴でした。そしてその主な「役割」は、邪悪な勢力と闘うラーマ王子(古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」に登場する伝説的な人物)をサポートすることでした。
ラーマ王子の許嫁のシーターが、誘拐された際、彼女を探し出すという任務を与えられたハヌマーン。ハヌマーンは任務を全うするために、道中さまざまな困難に見舞われます。
絶え間なく立ちはだかる障害のひとつに、魔王に捉えられたハヌマーンが、尻尾に火をつけられるというエピソードがあります。その時、ハヌマーンは燃える尻尾を引きずりながら、敵地である島を炎で焦がし、自らは体の大きさを変えて島を脱出しました。
この時のやけどの名残として、ハヌマンラングールの身体の一部は黒いのだと言われています。
ところで、このハヌマンラングール。野生のものは、神としてあがめられるインドの他、パキスタンやアフガニスタン、バングラデシュなどの各地に広く分布しています。
しかし!
日本で会えるのは、山口県宇部市にある「ときわ公園」内の動物園のみ!(※日本動物園水族館協会(日動水・JAZA)の飼育動物検索結果)
過去には、愛知県犬山市の日本モンキーセンターでも飼育されていた実績があるようですが、現在は、ハヌマンラングールに会えるのは、ときわ動物園のみのようです。
2回に渡り、インドの人気の猿神ハヌマーンとその姿をしてるハヌマンラングールについて触れてきましたが、ハヌマーンは、一説では中国に伝わる伝説的な猿王「孫悟空」のモデルであるとも言われています。
というわけで、次回のおサルに願いをシリーズは、インドから中国のお話にシフトチェンジ。次回もお楽しみに!
二助企画は、日本の伝統芸能猿まわしのプロフェッショナル集団。
猿まわしやニホンザルのことについて、あらゆる領域から情報発信をしてまいります。
ブログは毎月2回、第1・3金曜日に公開予定。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう!
参考文献
・世界動物神話/篠田知和基 八坂書房
・サル その歴史・文化・生態/デズモンド・モリス 伊達淳訳 白水社
・世界のいきもの大図鑑 いきものcom>ハヌマンラングール
https://ikimonopedia.com/northern-plains-gray-langur/
・ときわ動物園>動物たち>ハヌマンラングール
https://www.tokiwapark.jp/zoo/animal/asia/hanumanranguru.html
・日本動物園水族館協会(日動水・JAZA)
https://www.jaza.jp/
他