桜とおサルさん
こんにちは。二助企画です。
桜が美しい季節ですね。
今年は、あたたかい日が多く、4月上旬にして、既に葉桜になりつつ地域もあるようですが、せっかくなので今回は、桜とおサルさんについてのお話。
桜とおサルさんが一緒に描かれた日本画についてご紹介します。
まずは、
「桜に繋ぎ猿」
※画像は、海の見える杜美術館よりお借りしています。
「東海道五十三次」や「富士三十六景」などの作品で知られる浮世絵師、歌川広重の作品です。
散りゆく桜の下で、つながれているおサルさんが一緒に描かれています。
何かを一生懸命見つめているのでしょうか。
おサルさんの横顔がとても印象的です。
こちらの作品は天保3~6年頃に描かれたそうで、広島県廿日市にある「海の見える杜美術館(うみのみえるもりびじゅつかん)」で、実物を見ることができます。
次にご紹介するのは、
「雨中桜五匹猿図」
※画像は、兵庫県芸術文化協会サイトよりお借りしています
数多くの猿を描いた作品を残していることで知られる森狙仙の作品(江戸時代)です。
親子なのでしょうか?大小様々なおサルさん達が、風雨によって散る桜の花びらに興味を示している様子が描かれています。5匹の表情や動きが何とも楽しげで、とても生き生きした様子。
こちらの作品は、兵庫県立美術館にあるようなのですが、所蔵作品検索で検索してみてもヒットせず。現在、実物を見られるか否かは各自、お問合せ下さい。
ところで、「雨中桜五匹猿図」は、2004年の切手趣味週間のデザインとしても選ばれています。近頃は、なかなかお手紙を送ったりいただいたりする機会は少なくなってきていますが、
もしかしたら、お手元に届いた郵便物の切手に使われていた!なんていう出会いもあるかもしれませんね。
森狙仙は、江戸時代後期の絵師で、作品の90%が、おサルさんの絵であるとも言われているとか。「雨中桜五匹猿図」に限らず、彼の描いたおサルさんは日本だけでなく、ボストンやロサンゼルスなどの美術館にも所蔵されているようなので、偶然目にすることもあるかもしれません。
最後にご紹介するのは、
「秋桜老猿」
※画像は、白沙村荘 橋本関雪記念館サイトよりお借りしています
二助企画が常設劇場を運営している兵庫県神戸市出身の日本画家、橋本関雪(1883~1945)の作品です。
上述の2作品と異なり、桜というよりおサルさんが大きくメインで描かれています。見事な毛の描き方に、思わず手で触ってみたいという気持ちに駆られます。
関雪の猿の絵は非常に人気があり、「大観なら富士を、関雪なら猿が欲しい」と言われていたそうですよ。
こちらの作品は、白沙村荘 橋本関雪記念館に所蔵されています。
以上、桜の季節に、桜とおサルさんを描いた3作品を紹介しました。
桜もおサルさんも「絵に描いて残したい」と思うように、昔から人の気持ちを惹きつける魅力をもっているのですね。
二助企画は、日本の伝統芸能猿まわしのプロフェッショナル集団。
猿まわしやニホンザルのことについて、あらゆる領域から情報発信をしてまいります。
ブログは毎月2回、第1・3金曜日に公開予定。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう!
主な参考文献・サイト(順不同)
・海の見える杜美術館
浮世絵
・公益財団法人
兵庫県芸術文化協会
https://hyogo-arts.or.jp/promotion/s-7554/
・渋谷区立松濤美術館 プレスリリース
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://shoto-museum.jp/wp-content/uploads/2016/02/press_egawamuseum.pdf
・日本郵便
https://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/stamp/tokusyu/2004/h160420_t.html
・白沙村荘 橋本関雪記念館
http://www.hakusasonso.jp/collection/works/post-9.html
ほか