おサルさんの食べ物
こんにちは。二助企画です。
前回のコラムは、桜とニホンザルが描かれた絵についてのお話でした。桜と言えばお花見。お花見と言えば、「花より団子」。
ということで、今回のコラムではおサルさんの食べ物についてご紹介していきます。
まず、おサルさん(ここではニホンザル)は、雑食です。二助企画で頑張ってくれているおサルさん達や、動物園で飼育されているおサルさん達は、健康状態を考慮して、野菜や果物などバランスのよい餌を与えられています。
一方で、野生のおサルさん達は、何を食べているか?
果実、種子、花、葉、随、樹皮、といった植物が中心のようです。一方で、昆虫や小型の脊椎動物(カエル、トカゲなど)も食べます。あとは、キノコ(キノコは菌類で植物ではないんですよ)。そして貝。
おサルさんといえばバナナ!なイメージがありますが、野生のおサルさんは基本的にはバナナを食べないようです。
そしてオモシロイのは、野生のおサルさんは、群れによって摂取する食べ物が異なるということ。「例えば、鳥の卵。たいていの群れは好んで食べるが、高崎山や小豆島の群れは全然食べない」(ニホンザルの生態/河合雅夫より)。
つまり、「これは食べ物である」という認識が、群れによって異なるということですね。人間でも、日本人が自然に食べているタコやナマコは、欧米人にとってはかなりインパクトのある食文化であるのと似ていますね。
群れによって、食物習慣・認識が違うということで、群れによって食べる植物の種類も違います。例えば、高崎山の群れでは119種。嵐山の群れでは192種。比叡山の群れで370種類余りの植物を食べるという記録があります。
ちなみに野生のおサルさんは、毒のある植物も食べられるようです。山で遭難などした時に、おサルさんが食べているから大丈夫!という判断で、安易に植物を口にするのは危険です。
最後に、おサルさんの手のひら返しな行動を紹介します。
群れによって、食物習慣・認識が違うおサルさん達。例えば大平山というところに放された屋久島産のおサルさん達は、目の前に豊富な食べ物があるにも関わらず、一部のおサルさんは新しく見る植物を食べ物と認識せず飢餓に陥ったそう。自身の命をかけても、新しい植物を口にしようとしなかったのですね。
それなのに。
おサルさん達は、捕獲されて「一頭になる」と、与えられた食べ物は、たいてい食べるのだとか。群れの中では、その群れで認識された「食べ物」以外のものを食べることが許されないけれど、群れの目から離れたところでは、食べることができる。食行動に、何らかの社会的な規制力が働いていると推測できそうですね。
二助企画は、日本の伝統芸能猿まわしのプロフェッショナル集団。
猿まわしやニホンザルのことについて、あらゆる領域から情報発信をしてまいります。
ブログは毎月2回、第1・3金曜日に公開予定。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう!
主な参考文献・サイト(順不同)
・新しい霊長類学/京都大学霊長類研究所 出版社:講談社
・ニホンザルの生態/河合雅夫著 講談社
・自粛するサル、しないサル/正高信夫 幻冬舎新書
・京都大学人類進化論研究室
https://jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp/index.html
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ほか