二助企画とおサルさん(大切なのは信頼関係)
長い前置きが2回続きましたが、今回のブログでは、二助企画がどのようにおサルさん達にトレーニングをしているか、についてお伝えしていきます。
実は昔から、猿まわしのトレーニング方法は、基本的に芸能者の生活の糧に関わるものとして、公には開示されるものではなく、内々で伝承されていました。仲間でない人に教えるものではなかったのですね。
そうした背景におサルさん達の賢さが加わって、同じ猿まわしでも、個人によってトレーニング方法や動物観の持ち方は、十人十色。猿まわしのトレーニング方法は、他の動物のトレーニング方法のように、体系づけられたものがありませんでした。
しかし!!
二助企画では、ここでしっかりと、おサルさんたちのトレーニングについて、お話させていただきます。
二助企画では、行動分析学をベースにした方法で、おサルさん達のトレーニングに取り組んでいます。もちろん、おサルさんの個性、性格、性別などによって、細かな調整は必要なのですが、どのトレーナーも、一貫しておサルさんの心理・身体を傷つけることがない「ほめて伸ばす」という手法を取っています。
ちなみに、この「ほめて伸ばす」というやり方。少し前のブログで、たとえ話としてイルカのショーについて触れた、オペラント条件付けです。おサルさん達は、他の動物とは異なり、単純に餌を使ってのトレーニングが通用しません。逆に言うと、餌を使わずにトレーニングができるのです。
では、餌を使わずにどうするのか?
その答が「ほめて伸ばす」という手法なのです。
二助企画では、おサルさんとトレーナーの「信頼関係」をとても大切にしています。おサルさん達の心理的な幸福を最重要視しているのです。少しできたら、いっぱい褒める。おサルさんに、トレーナーと共にいると、安心・楽しいと思ってもらう。これを繰り返しています!
一方で、人とペットのように、距離を近づけすぎない、という点も意識しています。例えば、ワンちゃんや猫ちゃんは、人と一緒に眠ったりするようなケースもありますが、二助企画はおサルさんをペットとして扱うことはありません。適切な環境で飼育し、力を発揮してもらうことで、皆様に一緒に幸せを届けるパートナー同士という関係です。
ちなみに、このオペラント条件付けは、行動分析学の理論。行動心理学は、もともと人間のための心理学ですが、それをカレン・プライヤ氏が、アニマルトレーニングに応用し、その考えが今日の二助企画のトレーニングの礎となっております。
さて、3回に渡り、お話した二助企画とおサルさんの関係、いかがだったでしょうか?二助企画が大切にしている考え方が皆様に伝わることを祈っております。
二助企画は、日本の伝統芸能猿まわしのプロフェッショナル集団。
猿まわしやニホンザルのことについて、あらゆる領域から情報発信をしてまいります。
ブログは毎月2回、第1・3金曜日に公開予定。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう!
主な参考文献・サイト(順不同)
・アニマルロアの提唱‐ヒトとサルの民俗学/廣瀬鎮 未来社
・うまくやるための強化の原理―飼いネコから配偶者まで/カレン・プライヤ 二瓶社
ほか