「猿」がつく地名のおはなし③(言い伝えのある地名:猿島)
こんにちは。二助企画です。
「猿」がつく地名について、古語の転訛、アイヌ語由来と紹介してきましたが、今回からは、言い伝えのある地名についてのご紹介です。
まずは島から。
神奈川県横須賀市には、猿島(さるしま)と呼ばれる島があります。この猿島は、ジブリの映画「天空の城ラピュタ」の世界に例えられることもある島で、東京湾最大の自然島かつ無人島。更には東京湾防衛の重要拠点としての歴史を持ち、仮面ライダーの撮影が行われた場所としても知られ、人々を魅了し続けている観光スポットです。
色々詳しく語りたくなってしまう魅力的な島ですが、本コラムでは名前の「猿島」に注目。地名の由来には、日蓮宗の宗祖、日蓮上人にまつわる2つの伝説があります。
2つの伝説は、おおざっぱには、同じ内容。1253年に日蓮上人が上総(現・千葉県中央部)から鎌倉へ船出したところ、天候が悪化してしまい、沈没寸前の危機に見舞われます。そこへ白いサルが現れて、猿島に案内され、ことなきを得たというお話です。2つの伝説のうち1つには、龍が出てきます。日蓮が船首で海の神様である龍に題目を唱えたところ、大きな龍が現れ海は穏やかさを取り戻し、その後に白いサルが日蓮を猿島に導いた、というもの。
いずれにしても、白いサルが日蓮を導いた島だったため、猿島と呼ばれるようになった、ということです。ただ、、、実は、猿島にはニホンザルは1匹も住んでいないのです……!どうして、白いサルの伝説が生まれたのか、とても不思議ですね。
ちなみに、猿島は、日蓮上人の話が伝説化する前には、豊島(十島/としま)と呼ばれていたそう。近辺には、笠島、平島、など全部で10の島があり、当て字で縁起の担ぎ豊かな島、豊島と書いていました。
かつての猿島には、京急線の堀之内駅近くに位置する旧久郷村の鎮守、春日神社の社殿がありました。今でも春日神社には、狛犬ならぬ「狛猿」が置かれているとのことで、猿島との関わりを感じることができます。
ちなみに、この猿島、日本の歴史を揺るがした「ペリー来航」(1853年)時には、ペリー自身によって「ペリー・アイランド」と呼ばれていたそうです!こちらもなかなか興味深いお話です。ペリーは、どうして猿島に自身の名前を付けたのでしょう。
長くなりましたので、今回のコラムはここまで。次回以降も引き続き、「猿」がつく地名のおはなしをご紹介させていただきますね。
二助企画は、日本の伝統芸能猿まわしのプロフェッショナル集団。
猿まわしやニホンザルのことについて、あらゆる領域から情報発信をしてまいります。
ブログは毎月2回、第1・3金曜日に公開予定。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう!
主な参考文献・サイト(順不同)
・日本の地名の意外な由来/日本博学倶楽部/PHP研究所
三浦半島日和-横須賀・三浦・葉山・逗子・鎌倉を深く知るためのガイドブック‐
https://miurahantou.jp/
横須賀ジーンズ紹介/ブログ/猿島に猿はいるのか?
https://yokosuka-jeans.jp/blog/yokosuka/monkeyisland.html
猿島公式サイト
https://sarushima.jp/