ニホンザルの寿命について
こんにちは。二助企画です。
早いもので、もう2023年も年の瀬が迫ってまいりました。光陰矢の如し。月日の流れはとても速いですね。2023年1月にスタートしたこちらのコラムも、今回で第24回目を迎えます。
前回までしばらく「猿」がつく地名のお話を続けてまいりましたが、年末年始は、お猿さんの1年って、人間の1年と比較して、どうなの?という観点から、ニホンザルの寿命や一生についてのお話をしていきます!
まず、ニホンザルの寿命について。
ニホンザルの寿命は、だいたい25~30歳くらいであると言われています。しかし、飼育下では、とても長生きするおサルさんもいます。
例えば、
・愛知県豊橋市にある「のんほいパーク」にいる『アコ』は、37歳以上
(2020年4月現在:出典/のんほいパークのウェブブログ)
・「よこはま動物園ズーラシア」にいる『エツコ』は33歳
(2023年3月現在:出典/よこはま動物園ズーラシア飼育日誌)
人間と同じように、おサルさん達も、高齢になると、視力が弱まります。野生のおサルさんは、自然の中で生きているため、目が見えなくなった時点で餌を採れなくなります。つまり、視力の衰えイコール天寿をまっとうするということ。
しかし、動物園のおサルさん達は、高齢であっても定期的に健康チェックが行われ、群れとは離れて暮らすため、のんびりと暮らすことができます。実際に、『アコ』も『エツコ』も、仲間たちとは、別に飼育されているようです。
さて、ではおサルさんは、いつからオトナになるのか?
実は、人間の成長と対応させて考えるのはかなりの無理があります。ざっと考えるのであれば、おおむね人の3倍のスピードで年齢を重ねると捉えることができ、だいたい7、8歳で、オトナと言えます。
しかし、「歯の萌出」という基準で人とおサルさんを比較してみると、以下の通り。
人:生後6カ月〜9カ月ころが一般的(個人差あり)
おサルさん:6日目にはえはじめ、6か月後には、はえそろう
産まれて1週間で、歯が生え始めるなんて驚きですね!!おサルさんは人間と同じく、乳歯と永久歯があり、歯の数も32本と人間と同じ。はえる順番も同じです!
ちなみに、赤ちゃんサルは、早い時期から歯が生えますが人間の赤ちゃんのように、1年近くお母さんのお乳を飲むようです。人間でいう「ずりばい」を始めるのは生後3日目から。歩き出すのは20日目頃からです。赤ちゃんの成長スピードは、人と比べて圧倒的に早いですね。
また、メスのおサルさんの場合、月経を基準に考えることもできますが、おサルさんの多くは2.5~3歳(人間でいうと7.5~9歳)で始まるので、人間と比較しても相当早く、やはり単純に「人の3倍」とは言い切れないようです。
そして出産年齢も、いつからオトナなのか?と考える際の基準の一つになりますが、おサルさんはだいたい4歳以降。こちらも、3倍したら12歳なので、やはり人間と単純に比較するのは難しいようです。
つまり、ニホンザルには人間とは異なる成長曲線があるということ。大きく分けると
・アカンボウ期:0歳から1歳まで
・コドモ期:1歳から4歳まで
・ワカモノ期:オスでは5歳から9歳ごろまで/メスでは5歳から6歳ごろまで
・オトナ期:それ以降
になります。
ちなみに、人間と異なり赤ちゃんは、春に生まれます!二助企画でも、今年は5月に、くらのすけパパときなこママのもとへ、女の子の赤ちゃんが生まれてきてくれました。
長くなりましたので、今回はここまで。次回も引き続き、ニホンザルの一生についてみていきます。
二助企画は、日本の伝統芸能猿まわしのプロフェッショナル集団。
猿まわしやニホンザルのことについて、あらゆる領域から情報発信をしてまいります。
ブログは毎月2回、第1・3金曜日に公開予定。
本年も最後までお読みいただきありがとうございました。
来年も引き続き、お付き合いいただけますと幸いです。
皆様、どうか良いお年をお迎えくださいませ。
主な参考文献・サイト(順不同)
・ニホンザルの生態/河合雅夫著 講談社
・新しい霊長類学/京都大学霊長類研究所 出版社:講談社
京都大学人類進化論研究室>発達
https://jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp/FuscataHome/hattatsu.html
地獄谷野猿公苑>ニホンザルの一生
https://jigokudani-yaenkoen.co.jp/contents/detail?id=125
地獄谷野猿公苑>ニホンザルの一年
https://jigokudani-yaenkoen.co.jp/contents/detail?id=120
のんほいパークのウェブブログ
https://www.nonhoi.jp/blog/p8190/
よこはま動物園ズーラシア>飼育日誌
https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/zoorasia/details/post-4383.php