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ニホンザルの反抗期について③

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こんにちは。二助企画です。

 

ニホンザルの反抗期についてのお話。3回目の今回で、最後となります。

 

今回は、反抗期というよりは、これもひとつの反抗と捉えることができるのでは?という視点から、群れへの反抗についてのお話です。

 

まず、ニホンザルの群れの構成について。

 

前回お伝えしたように、ニホンザルは、母系社会の中で生きています。メスは、生まれ育った群れの中で一生を過ごしますが、オスは群れを移籍します。従って、群れの中の男女比(オスメス比?)は、メスの方が多いということになります。

 

余談ですが、群れで行動するというイメージの強い霊長類ですが、必ずしもすべての霊長類が群れを形成しているわけではありません。

 

「おサルさんだよ~♪」の童謡で有名なアイアイや、ネズミキツネザルなど、夜行性の原猿とオランウータンは、単独生活を基本としています。テナガザルは群れではなくペア型の社会を形成。ニホンザル、チンパンジー、ゴリラが群れをつくって生活しています。

 

ちなみに!

 

群れで暮らすニホンザル、チンパンジー、ゴリラを比較すると、大きな違いがあるんです!それは、「誰が」群れを移籍するのか?ということ。

 

以前お伝えしたように、ニホンザルは45歳になったオスが、群れを離れて別の群れに移動します。チンパンジーは、この逆。オスが生まれた群れに残り、メスが生まれた群れから出ていきます。そして、ゴリラ。ゴリラは基本的にオス・メスの両方が群れを移籍します!

 

ただ実は。近年の研究では、メスのニホンザルの群れの離脱現象についての研究も進んでいるようです。オスの離脱との違いは、再合流という行動があり得る事。この件は、またいつか別途コラムで触れていけたらと考えています。

 

さて、オスニホンザルのお話に戻します。

 

4-5歳になったオスザルは、群れることをやめ、単独で行動することがあります。このようなサルは「ヒトリザル」「はなれざる」「孤猿」と呼ばれていますが、ここでは、「ヒトリザル」と呼ぶことにします。

 

ヒトリザルは、群れることをやめて単独で暮らしているのですが、生涯を一人で過ごすということでもないようです。

 

ヒトリザルの中には、同じヒトリザル同士で小グループを作って行動することがあります。また群れの新しいリーダーの座を狙っているというサルも。

 

そういう意味では、ヒトリザルの存在を、群れへの反抗と捉えるのは少し強引だったかもしれません。

 

しかし「どういう性質を持つ個体が、ヒトリザル化するのか」という疑問は、精神病理学者や臨床心理学者の中で注目に値するという見方もあるようです。人間の阻害現象、反社会的行動について考察する際の参考になるのでは?ということでしょう。

 

二助企画は、日本の伝統芸能猿まわしのプロフェッショナル集団。

猿まわしやニホンザルのことについて、あらゆる領域から情報発信をしてまいります。

ブログは毎月2回、第1・3金曜日に公開予定。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

また次回のブログでお会いしましょう!

 

 

 

主な参考文献・サイト(順不同)

・ニホンザルの生態/河合雅夫著 講談社

・新しい霊長類学/京都大学霊長類研究所 出版社:講談社

・猿とヒトのエソロジー/糸魚川直祐・南徹弘共著:培風館

・教育と医学33(1)P88-94/動物の反抗-ニホンザルについて‐ 糸魚川直祐

・理論と方法11(2)P129144/霊長類における群れの成立メカニズムについて/大浦宏邦

・霊長類研究(32P5159/金華山島のニホンザル野生群で観察されたオトナメスの長期群れ離脱と再合流/田村大也

https://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/0806.html

東邦大学>理学部生物学科>生物学の新知識

 

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